相続できるのは誰?その1(コラム)
こんにちは。なみき通り司法書士事務所の林です。
毎日不安定なお天気が続きますね。
最近は、外出中に突然の豪雨や雷に見舞われることも多く、近くだからと傘を持って出なかったばっかりに
全身びしょ濡れなんてことも…あぁ何で傘を持ってこなかったんだろうと後悔してもあとの祭り。。
何事も、しっかりとした備えが大切ですね。
相続できるのは誰?
さて、今回のテーマは、「相続できるのは誰?」です。
人が亡くなった時、その人の持っていた財産は誰かが引き継ぐことになります。
その財産を引き継ぐ人のことを「相続人」と言い、亡くなった人のことを「被相続人」と言います。
(ちなみに、法律の世界では、よく「被~」という言葉が出てきますが、
これは「~される」と読み替えると分かりやすいです。
例:被相続人→相続される人 被保佐人→保佐される人 被担保債権→担保される債権 など。)
誰が相続人なのかというのは、相続手続きを進めるうえで非常に大事な問題です。
そして、相続人が誰なのかを判断するためには、かなり細かいルールを正確に把握する必要があります。
このコラムでは、複数回にわたり、それらをなるべく分かりやすく説明してみたいと思います。
相続人の基本
それでは、まず基本から始めます。
誰が相続人になるのか(相続人の範囲)については、民法という法律で下記のように定められています。
第一順位
配偶者、被相続人の子
第二順位
配偶者、被相続人の直系尊属(父母・祖父母のこと)
第三順位
配偶者、被相続人の兄弟姉妹
なお、順位というのは、相続できる順番のことです。上記の通り、配偶者は常に相続人になります。
そして、被相続人に子どもがいない場合に初めて被相続人の父母等が相続できることになります。
同様に、被相続人の兄弟姉妹が相続できる場合は、被相続人に子ども、父母等がいない場合に限られます。
代襲相続とは?
被相続人の子どもは第一順位の相続人であると書きましたが、それでは、被相続人よりも前に子どもが
亡くなっている場合はどうでしょうか。
この場合、単純に、第二順位である被相続人の父母が相続するとは限りません。
実は、被相続人の子どもに子どもがいる場合(被相続人から見れば孫)には、その孫が相続人となります。
このように、本来の相続人が、被相続人の死亡以前に亡くなっている場合などに、
その本来の相続人の子どもが相続することを「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」と言います。
そして、本来の相続人のことを「被代襲者」、代襲相続をする人のことを「代襲者」と言います。
この代襲相続、どの相続人の場合にも起こるものではありません。
被相続人の子ども、そして兄弟姉妹のみ代襲相続が認められます。
さらに、被相続人の子どもの代襲相続の場合、その子どもも既に亡くなっているときには、
そのまた子ども(被相続人から見ればひ孫)が相続することが認められています。
(これを「再代襲」と言います。)
しかし、被相続人の兄弟姉妹については、この再代襲は認められていません。
つまり、子どもの代襲相続の場合は、下の世代がどこまでも相続することになりますが、
兄弟姉妹の代襲相続の場合は、被相続人の甥・姪までしか相続することはできません。
ところで、被相続人と相続人が同時に死亡した場合はどうなるでしょうか。
法律上は、この場合にも代襲相続が認められます。
例えば、父と子がドライブの最中に事故にあい、二人が同時に亡くなってしまった場合、
この父に関する相続は、子の子、つまり孫が代襲相続することになります。
それでは次回は、第一順位の子どもが相続する場合につき、もう少し掘り下げてみたいと思います。