相続できるのは誰?その3(コラム)
こんにちは。なみき通り司法書士事務所の林です。
いよいよ夏本番ですね。
夏休みを利用して、旅行に出かける方も多いのではないでしょうか。
私は、自転車で旅に出るのが好きで、学生時代には、テントと寝袋を積んで、
北海道から鹿児島まで自転車で走ったこともありました。
最近はほとんど乗れていないのですが、子どもが大きくなったら一緒にツーリングをしようと
今から楽しみにしています。
婚外子の相続
引き続き、「相続できるのは誰?」をテーマにお話しさせていただきます。
今回は、相続人の範囲のお話からは少しそれるのですが、
婚外子の相続について説明します。
平成25年9月4日、最高裁判所において、ある決定が出されました。
それが、「結婚していない男女間の子どもの相続分を、結婚している夫婦間の子どもの相続分の
2分の1とする民法の規定は、法の下の平等を定めた憲法に違反している」というものです。
当時、テレビ等でも頻繁に報道されていたので、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
これまで、結婚していない男女間の子どもの相続分は、
結婚している夫婦間の子どもの相続分の半分とされていました。
これは、家族のあり方として、いわゆる事実婚や内縁関係ではなく、
婚姻届を役所に提出し夫婦関係を築く「結婚」という制度を法律上尊重するためと言われてきました。
しかし、昨今の家族形態の多様化や、子ども自身には何の責任もないことなどを理由に、
先程の決定が出され、それに基づき、平成25年12月に、結婚していない男女間の子どもと、
結婚している夫婦間の子どもの相続分を等しくする法律の改正が行われました。
それでは、具体例で見てみましょう。
引用:法務省「民法の一部が改正されました」
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00143.html(2014.7.22)
Aが死亡し、その相続人が、配偶者のB、Bとの間の子どもC、
そして結婚していないDとの間の子どもEで、Aの相続財産が1200万円である場合です。
これまでは、Eの相続分はCの半分でしたので、Bの取り分である600万円の残り600万円を、
CとEが2:1で分けることになり、Cが400万円、Eが200万円となりました。
しかし、改正後は、CとEの相続分は等しくなり、600万円の半分で、
それぞれ300万円の取り分となります。
それでは、この規定はいつから適用されるのでしょうか。
改正後の法律は、平成25年9月5日以後にお亡くなりになった方の相続から適用されます。
さらに、平成25年9月4日以前に開始した相続であっても、平成13年7月1日から平成25年9月4日
までに遺産分割協議などをしていない場合にも適用されます。
お亡くなりになってから既に数年経過しているものの、まだ手続きがお済みでない方は、
新しい規定が適用される可能性がありますのでご注意ください。
詳しくは、法務省のホームページも併せてご覧ください。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00143.html