相続登記のススメ(コラム)
こんにちは。なみき通り司法書士事務所の林真吾です。
この回で年内最後の更新となります。
今年の5月末に事務所を立ち上げてから早7か月。
本当に多くの方々に支えられて今の自分がいるのだということを強く実感できた7か月でした。
来年もこれまで以上に全力で取り組み、
ご相談に来られた方に「安心」を届けられる事務所作りを進めてまいりますので、
どうぞよろしくお願い申し上げます。
相続登記のススメ
さて、今回のテーマは「相続登記のススメ」です。
皆さまは、相続が発生している不動産の相続登記はお済みでしょうか?
「なんとなく後回しになってしまい、まだ終わっていない。」
「うちは相続税もかからないし、ほっておいても大丈夫だと聞いた。」
確かに、相続税の申告とは異なり、不動産の相続登記はいつまでにやらなくてはいけないという
期限はありません。しかし、亡くなった方の名義のまま放置してしまうと、
あとあと面倒なことになってしまう可能性があります。
どんなデメリットがあるか、いくつか説明します。
・相続人の数が増えてしまい手続きが大変になる。
相続登記を放置していると、続いて本来の相続人の方も亡くなってしまい
新たな相続が発生することがあります。
そうすると、何世代にもわたって相続人の数が膨れ上ってしまうおそれがあります。
相続登記をする際には新たな相続人も含めた全員の合意が必要となります。
本来の相続人同士では話がまとまっていたにもかかわらず、
新たな相続人との間で話し合いがまとまらず揉めてしまう、
一部の相続人と連絡が取れない、認知症の相続人がいて話し合いができない、
など手続きが煩雑になるケースも少なくありません。
・相続が発生している不動産を売却するには、相続登記を済ませないと売却ができない。
不動産を売却するためには、亡くなった方の名義のままでは売却することはできません。
いざ購入希望者が現れ、そこから慌てて相続登記の準備を始めても、
この手続きは思いのほか時間がかかることがあります。
相続登記を長年放置し続けると、戸籍謄本等の収集だけでもかなりの労力を要しますし、
相続人間での話し合いがスムーズにいくとも限りません。
うちは売却の予定はないので相続登記はしなくていいよね、と考えられる方もいると思いますが、
状況が急に変わってしまうことはよくあります。
そのような急な事態になった場合に一から相続の手続きを行うのは大変です。
このように、相続登記を放置してしまったがために、
これまで会ったこともない遠縁の親族と遺産分けについて話をしなければならなくなったり、
相続の話し合いがまとまらずせっかく決まりかけていた不動産の売却が進まないなど、
相続登記をしないことの影響は割と大きいのです。
年末年始でご家族で集まる機会も増えると思いますが、
是非そのような機会に皆様で少しお話し合いの場をもっていただき、
もし相続登記が済んでいない不動産があるのであれば、
お早目にお手続きをしていただければと思います。
それでは、来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えください。